こんにちは、よっしゃんです。
皆さん、英語の前置詞って簡単なスペルの割には、実際に使うとなると、その使い分けに悩むことはありませんか?
よっしゃんは英語の文章を考えるときにいつも、前置詞に悩んでしまいます。
「in the morningだっけ?on the morningだっけ?」
「この場合はat the cornerでいいのかな?」
気になって調べてみると、細かいニュアンスの違いがあったり、どちらの場合も正解だったりします。
またこうしたケース以外にも、
「I’m off today.」(今日は休みです)
「Turn off the radio.」(ラジオを消して!)
「be動詞 + 前置詞」で状態を表したり、動詞とセットになって、いわゆる句動詞として使われることもあります。
その他にも、
The town was a much greener area with a large number of trees.
(その街は多くの木々が生い茂った、緑豊かな地域でした。)
のように、withを使って文章に説明を付け加えていくこともあります。
このように、前置詞は使いこなせれば、表現のバリエーションを今よりももっと増やすことのできる、非常に便利な語句です。
前置詞のもつイメージをネイティブの感覚で説明してくれるのが、今回紹介するロス典子さん著の「ネイティブの感覚で前置詞が使える」です。
「ネイティブ感覚で前置詞が使える」の概要
この本では、英語のネイティブスピーカーが持つ前置詞のイメージを、イラストを通して感覚的に理解していく事ができます。
この本の著者のロス典子さんは、この本を作るにあたり8000枚以上のイラストを作り、それをネイティブとイメージを確認し合う作業を繰り返すことで、この本を作り上げていきました。
そのため、よりネイティブの感覚と近いイメージで前置詞を捉えていくことができるようになっています。
この本は、700ページ近いボリュームの本となっていますが、ほとんどがイラストで構成されており、文字はあまりないのでサクサクと読み進めていくことができます。
ですが、イラストをよく見比べていくことで前置詞のイメージに対する新しい気づきを得ることもできるような、そんな構成になっています。
この本の最大の特徴は、前置詞のもつイメージを「点」「線」「面」「立体」という、「次元」として捉えて分類していることです。
さらに私はこの絵を何回も何回も眺めているうちにごく最近、英語では前置詞がとても力をもっていて「名詞句を0次元(点)、1次元(線)、2次元(面)、3D(立体)として見なさい」と命令していることに気づきました。
「ネイティブの感覚で前置詞が使える」改定合本 著者:ロス典子
このイメージをしっかり身につけることで、今までよりことばの選択がしやすくなる、ということです。
英語を日本語に置き換えて理解しようとすると、どこかで無理がでてきてしまいますので、極力その場面を想像しながら、正しい単語やフレーズを身につけていく必要があります。
この本は、そうした「場面のイメージ化」を手伝ってくれるのです。
では、詳細な特徴について、以下でもう少し解説していきますね。
【特徴1】前置詞を「点・線・面・立体」で分類
上でも少し触れましたが、この本の一番の特徴は、前置詞のイメージを「0次元(点)、1次元(線)、2次元(面)、3D(立体)」で分類したところにあります。
0次元(点):at, to, from, close to, away from, by …
1次元(線):on, onto, off, over, under, along …
2次元(面):in, within, into, out of, of, through …
3D(立体):beside, inside, outside, behind, before, after …
例えば、「点」のイメージの前置詞「at」であれば、
at the corner その角で(「角」という一点を指す)
at noon 正午(12時ジャスト)
というように、ある一点を指し示す場合の前置詞として使われます。
他にも、「3D」のイメージである前置詞「inside」の場合は、
play inside 室内で遊ぶ
というように、「室内」というぼんやりとした立体空間の中を指します。
この本では、こうした前置詞が含む「点・線・面・立体」のイメージを、イラストを見ながら感覚的に学んでいくことができます。
よっしゃんは英語の中で、前置詞の使い分けが苦手でした。
特に日時に関わる表現は、よく使う割になかなか覚えられませんでした。
at night, on Sunday, in August, …
ですが、この本の「点・線・面・立体」の視点で考えると、割とスッキリ理解ができました。
ネイティブの人が無意識にどのようなイメージで前置詞を選択しているかという秘密に少し触れられる気がして面白かったので、ぜひ皆さんも試してみてください。
【特徴2】イラストで前置詞のイメージを深める
日本人にとって英語は第二外国語に当たるので、どうしても英語を勉強する際、慣れ親しんだ日本語で英語の意味を置き換えようとしてしまいます。
英語の勉強をし始めた頃は、こうした「置き換え」を行うことで、暗記をするような感じで単語を覚えていくことができて効率的かもしれません。
ですが、やはり英語と日本語は違う言語ですので、「置き換え」では細かいニュアンスの違いを理解することは難しいのです。
この本では、前置詞の使い方に関する説明はほぼありません。
多くのイラストと、それを説明する例文があるだけです。例文すらおまけで、イラストこそがこの本の本体と言ってもいいくらいです。
この本では、前置詞の使い方の説明がない分、学習者が絵を見て「状況と言葉をつなぎ合わせること」に集中できます。
よっしゃんは、iELTSのWritingやSpeakingセクションで、どの前置詞が適切なのかをよく迷うことがありました。
ですが、この本を読んでみると、前置詞を選ぶための基準が自分の中にできてきて、これまでよりもスムーズに前置詞を選択できるようになりました。
イラストの数が多くて全てに目を通すのは大変ですが、自分が気になったところから辞書的にこの本を利用するのも良いと思います。
【特徴3】似たイメージをもつ前置詞を比較
この本では、個々の前置詞を説明するだけでなく、似たイメージをもつ前置詞を比較して、シチュエーションごとの意味の違いについても理解できるようになっています。
例えば、バスに乗り込むシチュエーションを考えてみましょう。
Katarina is getting on/in the bus.
「ネイティブの感覚で前置詞が使える 改定合本」 ロス典子著
このシチュエーションでは「get on」でも「get in」でも同じイメージで使うことができます。
ですが、次のようなシチュエーションではどうでしょうか。
①He is on the truck.
「ネイティブの感覚で前置詞が使える 改定合本」 ロス典子著
②He is in the truck.
※一部表現に変更を加えた
①と②では、聞いたときに受け取るイメージが違います。
①の場合では、「トラックの荷台に乗っている」というイメージですが、②は「トラックの運転席(もしくは助手席)に乗っている」というイメージがあります。
交通手段を表すときに、「on」と「in」のどちらを使うか迷う場合があります。タクシーの場合は、「in the taxi」、バスの場合は「on the bus」が一般的です。
この違いは、上の例から理解できます。
タクシーの場合は、トラックで言う「運転席もしくは助手席に乗っている」(もっと言えば、人が座るための空間に乗っている)ので「in the taxi」。
一方でバスの場合は、トラックで言う「荷台に乗っている」と捉えて「on the bus」となります。
もちろんバスにも人が座るための空間が備わっていますが、どちらかと言うと運転席以外は、「モノを乗せる空間」と捉えているような印象です。
このようなイメージの違いについても、本の中でいくつも例がありますので、感覚的に前置詞の適切なチョイスを身につけていくことができます。
【特徴4】個性豊かなキャラクターとシュールなシチュエーション
この本では、イラストが本の内容の大半を占めており、イラスト中には個性豊かなキャラクターが沢山登場します。
「Bakunsai」という名前の和服をきた初老の男性や、「Okan」という名前のまさに「おかん」など、ユーモア溢れる名前も多々あります。
3コマが連なったイラストが所々にあり、ちょっとしたストーリーもあるので、みていて飽きない作りになっています。
また、「飛行機サイズのゴリラが飛行機の上によじ登るイラスト」や「天井に張り付いていたninjaが落下してくるイラスト」など、シュールなシチュエーションが結構あります。
よっしゃんとしては、この本のようなシュールなイラストは結構好きなので、印象に残りやすくてグッドだと思います。
「ネイティブの感覚で前置詞が使える」の使い方
著者のロス典子さんは、「自分の気になったところから読み始めて、絵をざっと眺めながらページをどんどんめくっていくこと」をオススメしています。
よっしゃんとしては、これ以外にも、自分が興味を持った前置詞や、使い方に悩む前置詞のところだけをみるような、辞書的な使い方もアリだと思います。
また例文も参考になるものが多いので、例文を通して英語での作文能力をつけていくこともできると思います。
この本は前置詞が網羅的に、そして体系的によくまとめられた本ですので、英語学習でつまづいたときにまたこの本に戻ってきて問題を解決する、そういった立ち位置の本だと感じました。
まとめ
この記事では、ロス典子さんの「ネイティブ感覚で前置詞が使える」をご紹介しました。
英語の前置詞に関して、これほど網羅的かつ体系的にまとめられた本はそうないと思います。
またイラスト中心の構成なので、前置詞の意味を「暗記する」のではなく、コアイメージから「想像する」力がつきます。
この本の代名詞とも言える「点・線・面・立体」で前置詞を理解する考え方を身につけて、みなさんも前置詞を今まで以上に使いこなしていきましょう!